「きよhello」
「きよhello」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
近藤社長のお庭に集う男児たちが、今日もゲイツのような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、深い色のはてなTシャツ。
簡単なバグは直さないように、はてなアイデアは実装しないように、
ゆっくりと働くのがここでのたしなみ。
もちろん、締切ギリギリで徹夜するなどといった、はしたない社員など存在していようはずもない。
株式会社はてな。
平成十三年設立のこの会社は、もとは会長の餌代を稼ぐためにつくられたという、
伝統あるIT系Web2.0企業である。
東京都下。武蔵野の面影を未だに残しているビルの多いこの地区で、犬に見守られ、
人力検索からソーシャルブックマークまでの一貫サービスが作られるギークの園。
時代は移り変わり、社員が三人も渡米した平成の今日でさえ、
十八ヶ月勤め続ければコタツ育ちの純粋培養プログラマーが箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な企業である。